三詠子さんの独り言

パリへの旅は11回目になります。
何度行ってもパリは違う顔を持っていて、行くたびにパリの奥の深さに驚きと感動を覚えます。
今回の宿はサンジェルマン・デュプレの近郊のプチホテルにしました。ヴィクトル・デュリュイ高(公立高校)が近くにある為、下校時間に鉢合わせになると、たくさんの若者の集団に出くわしました。いろんな肌の色の若者たちが楽しげに歩いています。さすがに移民の多いパリです。

地下鉄からホテルまでの通りにはシネマのポスター店や古い東洋の建物の映画館などがありました。ポスター店に興味があり立ち寄ってみると、なんとこのお店は全部本物のアンティックシネマポスターが置いてあり、ハリウッド映画からフランス、イタリア映画等のポスターの目録がファイルされていて、そこから見たいポスターをお願いすると、おもむろに引き出しからだして見せてくれます。ものすごい量で圧巻でした。本物と出会えるパリをまたもや実感しました。

私はアジィファッションを楽しんで頂きたいと願って毎シーズンセレクトし、皆様に提案しています。しかしめげる事も多々あります。年に一度ですが、自分がファッションの仕事をしている事の誇りを取り戻すためにパリを訪れ、パリのエネルギーを吸収してアジィへ戻ってきます。私はファッションに対しての想いがあります。ファッションは必要品でも日常品でもない、贅沢品だと常々考えています。贅沢な本物をアジィのお客様に届けているかの確信を持ちたい為にパリを訪れます。ファッションはこの商品が何故欲しいか、なぜ必要なのかなどの理由を正当化する必要は無いと考えています。だからこそ美しいのです。頭で考えるものではなく、心で感じて欲してと願っています。

私はパリでたくさんの本物と出会う事で、私の感性が磨かれる事を願い、パリの街をさまよい続けています。私の感性によって、セレクトされた商品を皆様が楽しんでいただければ幸いであり、大きな喜びです。
今回のパリの旅も、とても沢山の本物に出会えて最高でした!