三詠子さんの独り言

今年は寒波のパリをさまよってきました。日中も氷点下のパリは初めてです。早朝にパリに到着したため、宿泊するホテルへ荷物を預け、ルーブル美術館へと向かいました。肌を差すように冷い空気が溢れているパリ。
ルーブル美術館への途中のコンコルド広場に観覧車が回っていました。寒波のパリで誰も観覧車に乗っていませんでした。つい私は観覧車からのパリを見たくなりだれも乗っていない観覧車へ乗ってしまいました。大きな観覧車に私一人かと思いきや・・・対面の観覧車席へ黄色いアノラックを着た白人のおばさまが一人乗っていました。観覧車から降りると、その人が私に「日本人?」と聞いてきました。彼女は、アメリカ・ニュージャージーから友人二人と、初めてパリへ観光に訪れたとの事。友人はブランド物を買いに出かけ、私は興味がないので散歩していたと話してくれましたきっと、寒波のパリで観覧車に乗るおのぼりさんがもう一人いたと言う親近感が嬉しかったんでしょうね。ランチに誘われてしまいました。断るのは失礼だと思い一緒にランチを楽しむ事にしました。
コンコルド広場の近くのブラッスリーに入りました。フランス語と英語のメニューを渡されたので、彼女に任せて同じ物を注文しました。そこで初めてパリ名物お皿いっぱいのステック・フリット(ステーキ)を食べました。美味しいかって?いや~~肉でした。
彼女の息子が3年前に福井県大野市で英語を教えに来日し、彼を訪ねて日本へ来日した事。京都・大阪・福井へ行った事。桜の季節に訪問して本当に日本は美しい国であり、大野の人々がとても親切で素晴らしい人たちだった事を懐かしく話してくれました。この方は日本を訪問するにあたって、地方の人達との交流を味わえた事はとても素敵な経験でしたね。
寒波のパリでこのような経験を味わって日本を知ったアメリカ人に会えた事は、これからの9日間パリ・ベルギーへの旅の始まりの、楽しい予感を感じました。
しかしアメリカ人はどんな所でもアノラックとコッパンなのです。ふと、フランス映画「パリ ジュデーム」を思い出しました。
(後日談ですが3月14日にニュージャージーの彼女から二人でブラッセリーの食事風景を撮った写真を添えて手紙が送られてきました。)